「ズームレンズは買った。2本目に買うべきレンズを教えてくれ」
と言われたら、真っ先にオススメするレンズがSEL35F18Fです。
なぜなら35mmの画角は日常的に使いやすく、中でもSEL35F18Fはコスパが優れているからです。
- 明るくて寄れる
- 軽量コンパクト
- 素早いAF・安定した描写性能
本記事では実際に筆者が2年間使用した感想や作例を交えながらSEL35F18Fをレビューしますので、ご参照ください。
SEL35F18Fが向ている人 | SEL35F18Fが向いていない人 |
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あまりレンズにお金をかけられない 軽量コンパクトで明るいレンズが欲しい スナップ撮影や日常撮影がメインである | 解像度やボケに拘りたい 高いビルドクオリティを求めている |
スペック
ここではレンズのカタログスペックを紹介し、その後デザインについて触れていきます。
すでに細かいスペックを知っている、という人は読み飛ばしてOKです。
競合レンズと比較
レンズスペックは以下表のとおり。
モデル名 | SEL35F18F | SEL35F28Z | タムロン35mmF2.8 | シグマ35mmF2DGDN |
---|---|---|---|---|
焦点距離 | 35mm | 35mm | 35mm | 35mm |
明るさ | F1.8 | F2.8 | F2.8 | F2.0 |
最短撮影距離 | 0.22m | 0.35m | 0.15m | 0.27m |
最大撮影倍率 | 0.24倍 | 0.12倍 | 0.5倍 | 0.17倍 |
フィルター径 | 55mm | 49mm | 67mm | 58mm |
最大径 | φ65.6mm | φ61.5mm | φ73mm | φ70mm |
長さ* | 73mm | 36.5mm | 64mm | 67.4mm |
質量 | 280g | 120g | 210g | 325g |
絞り羽根 | 9枚 | 7枚 | 7枚 | 9枚 |
価格(税込み) | 65,000円 | 69,800円 | 36,310円 | 65,000円 |
中古相場(税込み) | 約51,600円 | 約42,000円 | 約30,000円 | 約51,700円 |
競合レンズには価格帯の近い同じ焦点距離からツァイスのSEL35F28Z、タムロン35mmF2.8、シグマ35mmF2DGDNを挙げました。
上記表のスペックで比較すると、SEL35F18Fの強みは以下の通りとなります。
- 明るさにおいてはSEL35F18Fが最も明るい。次点でシグマが優位。
- 最大撮影倍率はタムロンが最も高い。次点でSEL35F18Fが優位。
- 価格においてはタムロンが最も安い。次点でSEL35F18F、シグマが安い。
明るさを重視するならSEL35F18F、価格と最大撮影倍率を優先するならタムロン、軽量コンパクトを優先するならSEL35F25Zとなります。
またスペック表には現れませんが、ビルドクオリティではシグマ>SEL35F28≧SEL35F18F>タムロンの印象です。
各モデルを比較してまとめると以下の通りになります。
モデル名 | SEL35F18F | SEL35F28Z | タムロン35mmF2.8 | シグマ35mmF2DGDN |
---|---|---|---|---|
明るさ | ◎ | △ | △ | 〇 |
最大撮影倍率 | 〇 | △ | ◎ | △ |
ハンドリング | 〇 | ◎ | 〇 | 〇 |
ビルドクオリティ | 〇 | 〇 | △ | ◎ |
価格 | 〇 | 〇 | ◎ | 〇 |
総合すると、SEL35F18Fは明るさ・最大撮影倍率・重量・価格においてバランスが良いレンズと言えます。
外観
ここからは外観について実物の写真を交えて説明していきます。
とはいえシンプルな造りになっており、特筆すべき点は少ないため、サラっと写真を眺めるくらいで大丈夫です。
使用レンズのため、傷や汚れがあるのはご承知おきください
光沢のある金属鏡筒
鏡筒周りです。
金属鏡筒ということですが、重厚感は薄め。
その分だけ軽量に仕上がっている印象です。
安っぽさは感じませんが、よりビルドクオリティを求めるのであれば、シグマのレンズがオススメ。
デザインにあえて口出すなら、先端の赤ポチはなくてもいい気がする
花形のレンズーフードが付属しています。
フードを付けるとレンズ全長が長く見えますね。
筆者は携行性を重視するため、フードを付けることは滅多にないです。
スイッチ類
AF/MF切り替えスイッチとカスタムボタンが1か所あります。
ボタンの少ないα7cで運用する場合、カスタムボタンが付いているのは嬉しいポイントですね。
ボタン付近の打痕はコンクリートに落とした際についてしまったよ…
作例
ここからは実際に撮影した作例をご覧ください。
カメラはα7ⅲでいずれもレタッチをしています。
余談ですが、自身の作例を見返してみると、縦構図が多めでした。
準広角と呼ばれる35mmは横構図で撮ると、不要なものまで写り込みがちですが、縦構図だと狙った被写体のみを画角に収めやすいと思います。
35mmは雑多な感じで撮るときは横構図、しっかり画角を整理するときは縦構図が使いやすいですね。
メリット・デメリット
ここからはレンズのメリット・デメリットについて紹介します。
メリット
メリットは以下の3点です。
0.22mまで寄れる
ハーフマクロのTamron35mmF2.8には負けますが、SEL35F18Fも最大撮影倍率が0.24倍と寄れるレンズです。
『花やテーブルフォトにふさわしい近接撮影能力』と公式サイトでもPRされていますが、まさにその通り。
日常使いすることが多いレンズのため、必然的にテーブルフォトでの活躍が多くなります。
接写性能は日常使いにおいて重要です。
例えば神レンズと崇められているSEL55F18Zは最短撮影距離は50cmと寄れません。
お洒落なカフェで料理を撮ろうと思っても、席から仰け反りながら構えてなんとか「ピントが合うかな?」といった具合です。
その点、SEL35F18Fは席に着いたまま料理を寄りで撮れるため、ササッと撮影を済ませて食事を楽しむことができます。
もともと使いやすい35mmの画角でなおかつ寄れるからこそ、SEL35F18Fが万能レンズと言われる1番の理由だと思っています。
物撮りでも大活躍です
コンパクトで軽い
SEL35F28Zには負けますが、F1.8でありながら手のひらに収まるサイズ感と、十分に軽量コンパクト。
つけっぱなしレンズとしてはもちろん、ズームレンズに+αのレンズとしてリュックに忍ばせても全く苦になりません。
フルサイズ用のF1.8 レンズとしては、間違いなくコンパクトな部類です。
お出かけにはSEL35F18Fをつけっぱにすることが多いよ
AFはスムーズで早い
現代のレンズでは当たり前ですが、SEL35F18FのAFも早いです。
詳しくは下記動画で確認していただきたいですが、AFが合わなくてストレスを感じることもありません。
動画においてはアクティブ手振れ補正の効果を最大限に引き出すことができるのも、純正レンズの大きな強みですね。
ちなみにタムロン35mmF2.8はAFが遅いため要注意です!
デメリット
大きな欠点が見当たらないのが正直なところ…。
とはいえレビューする都合、重箱の隅をつつくようにデメリットを挙げてみました。
良くも悪くも普通
よく解像するしボケも綺麗で光芒も良く伸びます。逆光耐性も悪くないです。
一方で、キレのある解像や高いコントラストはSEL35F18Fから感じられません。
ツァイスやGMはハッと息を飲むような透明感のある絵が撮って出しで見ることができるため、ここはブランドによる明確な差だと感じます。
とはいえ、作例でご紹介した写真くらいは撮れますので、決して写りの悪いレンズではないことは強調しておきます。
クセがない分、レタッチのしやすいレンズだと思うけどね!
新品だと高い
純正の単焦点レンズが50mmや85mmだと3~5万で入手できるため、比較すると6万円越えのSEL35F18Fは高めかと思います。
もし、新品に拘らなければキタムラやフリマアプリで良品が約5万円で手に入るので、中古をオススメします。
まとめ
以上、SEL35F18Fのメリット・デメリットを挙げながらオススメする理由を紹介してきました。
まとめると以下の通りです。
メリット | デメリット |
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最大撮影倍率0.24倍の接写性能 軽量コンパクトで使い勝手の良い携行性 素早いAFによりストレスなくピント合わせが可能 | 特徴の少ない描写 新品だと価格高い |
SEL35F18Fは35mmの特性を最大限に引き出すレンズだと思っています。
明るさ・携行性・接写性能のバランスが優れているため、外出時に使うレンズに迷ったら真っ先に選ぶレンズです。
普段使いできるレンズをお探しであれば「間違いなく買い」ですので、検討してみてはいかがでしょうか。
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